混合液体のタンク内撹拌解析

概要

液体を混合して効率的に均一に混ぜることは、医薬・食品をはじめとする様々な場面で重要な工程です。この事例は、2つのインペラーがタンク内の2種の液体を撹拌する状態を解析したものです。

  1. 2つのインペラーの回転方向を同方向回転/互いに反対回転で比較
  2. それぞれのインペラーが液体の混合に及ぼす影響を可視化
  3. 複数基準座標モデル (MRF)を適用し、解析領域を回転領域と静止領域に分けるテクニック

技術情報

使用ツール

ANSYS Fluent

キーワード

複数基準座標モデル (MRF)、撹拌、混合液

詳細

解析モデル

  • 円筒形のタンク
  • インペラー2か所
  • 水とグリセリンの混合溶液
  • 比較条件:インペラーの回転方向2通り(同回転/逆回転)
タンク寸法
タンク断面図

  • メッシュ

解析結果

  • インペラの回転方向による撹拌効率の比較
体積分率
※グリセリンが空間を占める割合0~1
左:インペラーが互いに逆回転/右:インペラーが同方向回転

事例は以上です。

技術コラム

オーバーセットメッシュ

一般的なCFDでは大きな運動を伴う解析を苦手としてきた。
その理由の一つは、物体の運動に伴って計算格子を変形させる必要があり、大きな移動では格子が潰れてしまうためである。
オーバーセットは大きな流体領域の格子と、物体側からの格子を別々に生成し、両者を重ね合わせる手法であり、この問題を回避することができる。

引用元:ANSYS Fluentマニュアル