チョコレートファウンテン

概要

レストランで見かけるチョコレートファウンテン。
上から流れる溶けたチョコレートの滝でマシュマロをコーティングする様子をシミュレーションしました。

  1. マシュマロという構造領域の移動を伴うCFD計算
  2. VoFの手法により温めたチョコレートの自由表面(界面)を模擬
  3. アニメーションでリアルに表現
実際のチョコレートファウンテン
シミュレーション結果をリアルに表現

技術情報

使用ツール

ANSYS Fluent 2021R1

キーワード

流体解析、自由表面、VOF、ダイナミックメッシュ、オーバーセットメッシュ、overset-mesh

詳細

解析モデル

  • チョコレートファウンテン本体(半径60[mm]、1/12ケーキカットモデル)
  • マシュマロ: 長さ2[cm]
  • チョコレートの流量 95[g/s]

解析結果

  • チョコレートと周辺領域は青いメッシュ部分
  • 移動するマシュマロ領域は赤いメッシュ(オーバーセットメッシュ)
メッシュ表示
チョコレートの自由表面表示

事例は以上です。

技術コラム

オーバーセットメッシュ

オーバーセットは大きな流体領域の格子と、物体側からの格子を別々に生成し、両者を重ね合わせる手法である。

一般的なCFDでは大きな運動を伴う解析を苦手としてきた。
その理由の一つは、物体の運動に伴って計算格子を変形させる必要があり、大きな移動では格子が潰れてしまうが、下図のようにオーバーセットメッシュはこの問題を回避することができる。

引用元:ANSYS Fluentマニュアル

VOF(Volume-of-Fluid)法

界面形状を追跡するために使用されます。
複数の流体相(例:液体と気体等)が存在する場合、それらの界面を正確に捉えることが重要です。
VOF手法は、流体相の混合領域や分離領域、界面の変形や接触を追跡し、その位置や形状を解析的に計算します。

気体と液体の混相流解析のうち自由表面流れの解析手法で、界面捕獲法の一つです。
図のように、メッシュのうち液体が占める体積の割合を液体充填率Fという関数として定義し、移流方程式を解いて界面を求めていきます。

F値は0から1までの値をとり、F値が0であればそのメッシュの物性は気体(例えば空気)、F値が1であればそのメッシュの物性は液体(例えば水)として取り扱います。

引用元:サイバネット社HPhttps://www.cybernet.co.jp/ansys/glossary/vofhou.html