混合液体のタンク内撹拌解析
概要
液体を混合して効率的に均一に混ぜることは、医薬・食品をはじめとする様々な場面で重要な工程です。この事例は、2つのインペラーがタンク内の2種の液体を撹拌する状態を解析したものです。
- 2つのインペラーの回転方向を同方向回転/互いに反対回転で比較
- それぞれのインペラーが液体の混合に及ぼす影響を可視化
- 複数基準座標モデル (MRF)を適用し、解析領域を回転領域と静止領域に分けるテクニック
技術情報
使用ツール
ANSYS Fluent
キーワード
複数基準座標モデル (MRF)、撹拌、混合液
詳細
解析モデル
- 円筒形のタンク
- インペラー2か所
- 水とグリセリンの混合溶液
- 比較条件:インペラーの回転方向2通り(同回転/逆回転)
![](https://www.bos-web.com/hp/wp-content/uploads/2023/06/01_model_kakuhan.jpg)
![](https://www.bos-web.com/hp/wp-content/uploads/2023/06/03_model_kakuhan2.jpg)
- メッシュ
![](https://www.bos-web.com/hp/wp-content/uploads/2023/06/02_mesh_kakuhan.jpg)
解析結果
- インペラの回転方向による撹拌効率の比較
![](https://www.bos-web.com/hp/wp-content/uploads/2023/06/image-2.png)
※グリセリンが空間を占める割合0~1
事例は以上です。
技術コラム
オーバーセットメッシュ
一般的なCFDでは大きな運動を伴う解析を苦手としてきた。
その理由の一つは、物体の運動に伴って計算格子を変形させる必要があり、大きな移動では格子が潰れてしまうためである。
オーバーセットは大きな流体領域の格子と、物体側からの格子を別々に生成し、両者を重ね合わせる手法であり、この問題を回避することができる。
![](https://www.bos-web.com/hp/wp-content/uploads/2023/06/99_oversetmesh-1.jpg)